計測自動制御学会論文賞武田賞受賞

受賞報告

日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会ワークショップNo.25「制御性能監視〜プロセス産業での実用化を目指して〜」において,産学協同で取り組む技術開発課題の1つとして,「調節弁固着検出」を取り上げました.

WS25の活動を通して得られた調節弁固着検出に関連する研究成果をまとめて報告した論文に対して,2005年度計測自動制御学会論文賞武田賞が贈呈されました.

なお,本研究成果については,

WS25最終報告書
第3部 制御性能監視と関連技術の実用化に向けて
第5章 調節弁固着現象のモデル化と検出

で解説しています.また,提案した調節弁固着検出技術は,WS25で開発した制御性能診断ツール LoopDiag に搭載されています.

論文題目

空気圧式調節弁固着現象のモデル化と固着検出法の開発

著者

丸田 浩 (京都大学,現在は昭和電工)
加納 学 (京都大学)
久下本 秀和 (住友化学)
清水 佳子 (東芝)

論文概要

制御性能監視は,生産プラントの高効率運転を実現するために重要な技術である.制御性能が劣化する原因は,コントローラの調整不良や機器の不具合など様々であるが,プロセス産業において発生頻度の高い原因は空気圧式調節弁の固着である.調節弁の固着はプロセス変数の周期振動を引き起こすため,早期に固着を検出し,制御性能を向上させるためにオペレータが適切に対応することを促す仕組みが必要である.本研究では,調節弁に固着が発生するメカニズムについて検討し,調節弁固着現象のモデル化を行うとともに,固着検出法を提案する.提案法と既存手法を,開発した固着現象モデルを用いて発生させたシミュレーションデータ及び複数の化学プロセスの運転データに適用した.その結果,提案する固着検出法は,優れた固着検出性能を実現できるとともに,固着とコントローラの調整不良や外乱とを識別できることを確認した.

論文賞の賞状とメダル,および武田賞レリーフ

論文賞の賞状とメダル,および武田賞レリーフ

To Top
Copyright © 2005 JSPS 143 WS25. All rights reserved.
制御性能監視」は加納学@京都大学化学工学専攻が運営しています.